うまくいっている人は朝食前に
いったい何をしているのか
ジャンル:自己啓発・マインド 生産性・時間管理
著者:ローラ・ヴァンダーカム 桜田直美(訳)
出版社:SBクリエイティブ
定価:1,430円(税込)
出版日:2017年03月30日
あんずちゃんが、ナレーションします。

著者紹介 : ローラ・ヴァンダーカム(Laura Vanderkam)
米国フィラデルフィア郊外で夫と3人の子供と共に暮らす。
2001年にプリンストン大学を卒業。
自らを「ライターであり、妻であり、母であり、ランナーであり、
友人であり、ボランティア」と称している。
「ウォールストリート・ジャーナル」「ハフィントンポスト」
「USAトゥデー」に寄稿する傍ら、朝の情報・ニュース番組や数々のラジオ番組にも出演している。
私は朝が苦手になってしまいました。寝過ごして遅刻するようなことはないが、できるならぎりぎりまで寝ていたいと思います。これには、同感だと思われている方も多いはず。
しかし本書を読むと、ぎりぎりまで寝ている人は、
これまで損をしていたと気づくと思います。
本書によれば、成功者の多くは朝の時間を有効に活用している。
早起きして、本当に意義のあることや、夢を叶えるための活動に時間を使っているのだ。
朝は思考がクリアで、作業効率が良いと思います。
その貴重な時間を自分のために使うのは理にかなっていると感じます。
今までは、仕事が終わった夜の時間帯に新しい事を取り組んでいましたが、どうしても集中力が続きません。
仕事が終わった後では、疲れが出ているためかと思います。
従って、時間ばかりが掛かってしまい遅い時間までやっています。
当然ながら、寝る時間が遅くなるので翌日の起きる時間も遅くなると言う悪循環になってしまいました。

また本書では「意志力」についても紹介されています。
意志力とは、自分をコントロールして物事を成し遂げる力のことです。
あらゆる誘惑をセーブして、やるべきことに集中する力を指します。
身の回りにはたくさんの誘惑があるため、常に消耗していきます。
この実験から、意志力は使いすぎると減ってしまうことがわかります。



まだ満員電車にも乗っておらず、上司とやりあってもいない朝は、意志力が満タン。
だから朝の時間は、ランニングや重要な仕事など、意志力が必要な行動に適しています。
まずは、朝起きるのが楽しみになるように工夫して、朝の活動を習慣化することです。
本当にやりたいことに時間を使うことです。
そうすれば、より有意義な人生を送れることは間違いありません。



成功者は朝の時間の大切さを知っている
自分に使える時間は朝しかない
30歳から45歳のアメリカ人の平均起床時間は5時59分だが、
著者と同じように8時や9時まで仕事を始めない人が多い。
SNSをチェックしたりネットニュースを見たりして
無自覚に時間を浪費し、電話やミーティングに急かされて
仕事を始める。


国民全体の平均睡眠時間は、7時間12分で、
男性は7時間20分、女性は7時間6分です。
女性の睡眠時間は男性より短くなっています。
男女年層別にみると、6時間台と短いのは、男性の40代・50代、
女性の40~60代で、最も短いのは、6時間36分の女性50代です。


だが、朝の時間の過ごし方は変えられる。
実際、成功者は、世間の人が朝食を取る前の時間を使い、
理想の人生に向かって着実にスキルを積み上げている。
早朝からジムで汗を流す人、
ゆっくりとその日のスケジュールを確認する人……
朝の過ごし方は人それぞれだが、
成功者はやるべきことの優先順位を決め、
順位が高い仕事や夢の実現につながることを優先している。
そのために使える時間は、朝しかないからだ。

意志力の有効な使い方
午前中はパフォーマンスが高く90分以上も集中できるが、
時間の経過に伴い、集中力は散漫になっていく。
これは多くの人に当てはまるパターンで、
時間が遅いほど集中力の持続時間は短くなる。
さらに、朝はじゃまが入りにくいし、
自分を律する必要のある業務は早い時間のほうが向く。
フロリダ大学で行われた実験によると、
意志力は使いすぎると疲労することがわかった。
通勤ラッシュや話のわからない上司、
反抗的な子供……すべて自分を律する力が必要な相手だ。
私たちの意志力はあっという間に在庫切れになってしまう。
だから、間違った判断は遅い時間に起こる。
ダイエット中なのに食べすぎるのは夜が多いし、
衝動的な犯罪の大半は夜に起こる。
しっかり睡眠をとった朝は、意志力が満タンだ。
つまり、朝は意志力がたっぷり使えるので、
大切なことは朝に取り組むほうがよい。
ただし調査によると、成功者は、
一般的に意志力が必要とされることにも意志力を
使っていないことがわかった。
歯磨きのようにすっかり習慣化できているから、
意志力を使う必要がないのだ。


朝の習慣に適しているのは、先延ばしにされやすく、
時間を決めなくてもかまわないものだ。
加えて、意志力がないとできないものにするとよい。
要するに、面倒くさくてやりたくないけど、
それでもきちんと続けていけば、
長期的に大きなリターンを得られるような活動だ。
誰よりも成功している人は「キャリアの発展につながる行動」
「豊かな人間関係につながる行動」
「自分を育てる行動」を朝の習慣にしている。
それぞれについて解説しよう。
まず「キャリアの発展につながる行動」。
タイムログをつけると、突発的なミーティングなどで、
仕事がしょっちゅう中断されていることに気づくだろう。
一方、朝の時間はじゃまされない。
だからこそ、この時間は集中力が必要な仕事に使うべきだ。
1日の仕事の優先順位を決め、朝は最優先の仕事に取り組む。
そうすれば、後で何度もじゃまをされても、
余裕を持って対応できるだろう。
次に「豊かな人間関係につながる行動」。
税理士のキャサリンは、帰宅がいつも遅くなり、
娘との時間が十分に取れないことに不満を感じていた。
そこで著者は、夜は早く寝て、
朝の時間を「ママと娘の時間」にすることを提案した。
ポイントは、朝に2人で何をするか、事前に決めておくこと。
そうすれば、朝起きるのが楽しみになる。
最後は「自分を育てる行動」だ。
企業幹部の多くは朝の時間を使って運動をしているようだ。
アパラチア州立大学が行ったある研究によると、
朝起きてすぐに運動する人は、その他の時間に運動する人に比べて、
寝つきがよく、熟睡できるという。
朝のほうが運動を習慣化しやすく、
体を動かしたあとは頭がすっきりして仕事の生産性
が上がるというメリットもある。