
人を動かす 新装版
著者 デール・カーネギー,山口博/訳
出版社 創元社
出版日 1999/10/20
本文を機械音声にて、読み上げてくれ ます。これを聞きながら文書を読むと頭に入りやすいと思います。
著者デール・カーネギー,山口博/訳の「人を動かす 新装版」を紹介させて下さい。
この本の初版は、1936年で全世界で 1,500万部売れた書籍です。
勿論、現在でも更に売れ続けています。
自己啓発本の元祖とも言える本です。
この「人を動かす」は、次の構成になっています。
〇人を動かす3原則
〇人に好かれる6原則
〇人を説得する12原則
〇人を変える9原則
以上に構成されています。
その中から、今回は 人を動かす3原則 から紹介させていただきます。
その前に、デール カーネギーさんの紹介をさせて下さい。
デール・カーネギーさんは、ミズーリ州の貧しい農家に生まれ学芸大学に進むのですが、その時デールは異常なまでの劣等感に苛まれます。
それを克服する為に、弁論を研究する事になります。
大学卒業後、教師 ⇒ セールスマン ⇒ 会社員 ⇒ 劇団の仕事など様々な仕事を転々とします。
仕事を転々として行くうちに、デールは気づきます。
自分に最も適した仕事は、大学時代に研究した弁論術だと。
それで、実際に活動を行いましたが、一晩で2ドルしか稼げませんでした。
しかし、一晩で30ドル稼げるようになりますが、弁論術を教えて行くに当たり適当な教材の必要性を感じて手を尽くして探そうとしますが、何処を探しても見つかりませんでした。
人間関係について役立つ本が、一冊も出版されていませんでした。
ここで、デールは人間関係について役立つ本を書く決意をするのでした。
それから、助手を使って一年半に渡り新聞、雑誌、裁判記録を始め心理学書、哲学書などの
資料集めをして、各業界の有名な人物にインタビューを行い、その調査の結果
人を動かす原則を打ち立て、それを印刷した小さなカードを作りました。
それを講習会の教材としました。
ところが、講習会を続けて行くうちに、このカードの教材がどんどん内容が濃くなって行き
15年後には、一冊の本になってしまいました。それがこの「人を動かす」です。
第1部:人を動かす三原則について紹介させていただきます。
1.盗人にも、五分の利を認める。
どんな凶悪な殺人鬼でも、本人は善人であると思い込んでいる。
クローレーと言う殺人鬼が捕まり、電気椅子で刑が執行される時に、この殺人鬼は何と言ったでしょうか?
今まで殺めた人達への謝罪でしょうか !? それとも、自分がしでかした事への後悔でしょうか ?
実際は、こんな事を言っていたそうです。
「自分の身を守っただけの事で、こんな目にあわされるんだ」
この話の要点は、凶悪殺人犯であるクローレーですら、自分が悪いとは思っていないと言う事です。
ですから、一般人は尚更、自分が悪いとは思わないと言うことをデールは説いています。
そして、次のような教訓が書かれています。
●他人の粗探しは役に立たない。
●相手の欠点を指摘しても、相手は直ぐに防御態勢を敷いて自己を正当化する。
●自尊心を傷つけられた相手は、反抗心を起こし危険な存在になる。
結論として、相手の欠点を責めるよりも、相手の良いところを見つけてそれを伸ばす方が有益です。
人を動かす為の秘訣は、この世でただ一つ、自ら動きたくなる気持ちを起こさせる事です。
ここで、人間が欲しがる欲求8選を発表させていただきます。
1.健康と長寿
2.食物
3.睡眠
4.金銭及び金銭によって買えるもの
5.来世の生命
6.性欲の満足
7.子孫の繁栄
8.自己の重要感
以上となります。上記の8つの中で、滅多に満たされないものがありますがそれは、何だと思いますか ?
答えは、8.自己の重要感です。
その事で、補足説明をさせていただくと
例えば、新しい仕事を職場の上司から頼まれる時に
A上司:「これ適当にやっといてくれればいいから」と言われたパターンと
B上司:「この仕事は君にしか出来ない重要な仕事なんだ」と言われるパターンがあったとした場合
あなたは、どちらの上司から言われた方がやる気がでますか ?
これは、答えがハッキリしていますね。
自己の重要感を満たしてくれる B上司に言われた方に決まっていますね !
人が持つもっとも強い欲求は、他人に認められる事です。
2.人の立場に身を置く。
例えば、相手がこうして欲しいと言っても、それが気に入らなければ相手は、なかなか動いてくれません。
その為、相手にしてもらいたい事と相手がしたい事を一致させる事で人は動きます。
何か、どの話も耳が痛くなりそうな話だと思いました。ここで言っている話は、皆さんも聞いた事が有る話が多いと思います。
しかし、しかし、ですが出来そうで出来ないのです。悲しいですね。
正に私の事なのですが、いきなりは出来なくても、日々その事を意識し続けて以前の自分と比較して、少しでも出来るようになっていれば
自分を褒めてあげたいと思います。


